これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。 「王国」とは何か、そして「神聖にして侵すべからざる」ものとは何か。本作のハイライトやはりそこになるように思われる。細かい話をしたいところもあるが、読みやすさの割りに全体が見えづらかったので、大枠からレビューさせて頂く。 首都圏郊外の街、猫庭にある小さな国、ファルケンスレーベン王国。第63代女王の晴華瑠波と、彼女に仕える主人公・諫見隼人。王国は、日本において何の法的根拠も無く、国民はわずか数人。けれど、猫庭の人びとは誰もが王国を認めている。『神聖にして侵すべからず』は、そんな奇妙な世界の住人たちの物語である。 本作には大きく二つの筋がある。自身を変えようとする希・澪里ルートと、王国との関係に焦点があたる瑠波・操ルートである。希と澪