一対一の恋愛を規範とする保守的な恋愛観からすればハーレムはシンプルに浮気であり、倫理的に認められるはずもないものだ。しかし、人はある意味で間違っているとわかっていることをなおすることができる。そこには別の正しさが存在するからだ。だから効果的な批判をするためにはまず相手のロジックを把握する必要がある。 一対一で恋愛関係を結ぶことはお互いの欲望を交換する契約が成立すると言い換えられる。しかし告白は受け入れられるかもしれないし、拒絶されるかもしれない。勇気を必要とする運命的な出来事だ。 しかし契約が頻繁に行われると次第に成立するのが当たり前になっていき、あのドキドキは失われてしまう。 経済にたとえるとこれは貨幣の成立に似ている。一対一の物々交換から、一対多の貨幣経済へ。このとき貨幣の役割を果たし、他のものすべてのとの交換が可能なのがハーレム主人公である。このときヒロインは商品となる。商品はみな欲