「戦争と平和は人が下す決定であり、必然ではない」 ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリはこの戦争が「人類の危機」になりかねないと訴える。平和を再び構築するために、私たちが進むべき道とは。 数年前に刊行された拙著『21 Lessons/21世紀の人類のための21の思考』に、戦争の未来を論じた章がある。「人間の愚かさを決して過小評価してはならない」という副題を付したこの章で、私は「21世紀最初の十数年は人類史上最も平和な時代であり、戦争はもはや経済的にも地政学的にも割に合わない行為になった」と書いた。 しかし、これだけでは平和の絶対的な保証とはならない。「人間の愚かさは、歴史を動かすきわめて重要な要因」であり、「合理的な指導者でさえ、はなはだ愚かなことを頻繁にしでかしてしまう」からだ。 このような考察をしたにもかかわらず、2022年2月、ウラジーミル