大手ゼネコン・大成建設(東京)が東京国税局の税務調査を受け、2013年3月期までの3年間で約2億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。このうち約6千万円は、幹部社員が下請け会社に架空発注を繰り返して裏金をつくり、私的なマンションの建設資金に流用していたと認定され、大成建設の所得隠しとされた。重加算税を含む追徴税額は数千万円で、同社は納税したとみられる。 同社関係者などによると、この幹部社員は、都内の高層ビル建設工事でプロジェクトリーダーを務めた「作業所長」(52)。同社が税務調査を受けていた最中の今年3月までに解雇された。同社は取材に「税務調査に関する質問への回答は差し控える。社内処分は社内規定にのっとって適正に対処している」と回答。幹部社員は取材に応じていない。 関係者によると、幹部社員は自らが作業所長を務めた工事で下請けに入った約10社に架空の発注を繰り返し、その代金を裏金としてプー