(前回の続き) ■原爆投下の論理 たとえば、原爆投下を正当化する口実として、アメリカは、もし原爆を使用しなかったとすれば、日本を降伏させるために日本本土への上陸が必要であったであろう、本土決戦ともなれば、アメリカ兵の死傷者は百万人(五十万人と言われることもあります)を超えるかもしれない、そしてその十倍以上の日本人が死傷するであろう、したがって、原爆投下は、百万のアメリカ人とさらにその十倍の日本人の生命を救ったのだというようなことを言います。 この論理はどこかおかしくはないでしょうか。 本土決戦になれば、アメリカ人が百万人、日本人がその十倍以上死傷するという予測は、何の根拠もありませんが、ここは譲って、この予測は正しかったとしてみましょう。 この論理は、日本を完全に屈服させ、無条件降伏を承認させることを疑うべからざる当然の前提としています。 日本をそこまで追いつめるためには、原爆投下と、アメ