第21回 日本は「質の経済」、アメリカは「量の経済」 ~なんでもアメリカを模範とするリスク~ 東京財団前会長 日下 公人氏 2006年3月9日 相手国の「程度」に合わせた外交を 日本人は「クオリティが高いか低いか」に敏感だ。それに比べると、外国人はクオリティがほとんどわからないのではないかと感じる。彼らは日本人とつき合って、だんだんとわかるようになってくるのだ。それで、日本の商品を買うようになったり、日本風に物事を考えたりする外国人が増えてきた。アメリカ人などもそうだ。一言でいうと、日本は「質の経済」でアメリカは「量の経済」である。あるいは外交なら、日本は「モラルのある礼儀正しい外交」で、アメリカは「力一本槍の外交」。これは日本人から見れば野蛮だが、アメリカ人はそうは思っていない。 日本人の品性はいろいろな面で非常に上品で、世界の常識とはまるで違うくらいに高級だ。だから、昨今の憲法