● “情報化時代”の新しい文字 前回は符号位置の並びが違っても「全く同じ」字である「正規等価」、それから符号位置の並びが違い、正規等価ほど「同じ」とはできないが、「基本的な意味は同じ」で見た目もあまり変わらない「互換等価」、そしてこれらに基づいて重複を排除するUnicode正規化について述べた。 例えば、文字コードのことを活字棚に喩え、棚に並べられている活字に1つずつ番号を振ったようなもの……とするような説明を耳にしたことがないだろうか。しかし現在私たちが使っているコンピュータに実装されたUnicodeは、すでにそうした牧歌的な喩えでは正確に理解することはできない。見た目だけを比べると「全く同じ字」でも、背後に振られた番号からは「違う字」という場合があるのだし、そもそも1個の「番号」が必ず1文字に振られているとは限らない。つまり画面に映し出されたり紙に印刷された文字の「形」だけに囚われてい