企業の損益分岐点分析 企業や部門に対して損益分岐点分析を適用する場合は,横軸の変数は売上高を取った方が分かりやすい。この場合の変動費は,売上高に対する変動費率を使う。 費用を固定費と変動費に分解することを「固変分解」というが,企業や組織単位で発生する費用は,必ずしも固定費と変動費にきれいに分けられないので,固変分解は実務的にはなかなか難しい。 よく使われる方法は,勘定科目毎に変動費と固定費を決め打ちする「勘定科目法」と呼ばれる方法だ。例えば,製造業における製造原価であれば,直接材料費のみが変動費で,それ以外の費用はすべて固定費とする。非製造業であれば,ほとんどが固定費と言っていいだろう。 他の方法としては,売上と費用の月次又は年次推移から,最小自乗法により回帰直線を求める方法がある。回帰直線のy切片が固定費であり,傾きが変動費率である(図1)。