「将来は電力を買うようにコンピューティング・パワーを買うようになる」---最近,仮想化やグリッド・コンピューティングなどを取り上げる際に,よく耳にするフレーズである。先月,米Hewlett-Packard戦略技術オフィス チーフ・サイエンティスト兼フェローのGreg Astfalk氏にインタビューしたが,その際にもそのような話が出た。 HPC(High Performance Computing)分野向けにネット経由でスーパーコンピュータ・クラスの演算能力を販売するサービスは,RCS(Remote Computing Service)などの名称で古くから提供されてきた。コンピュータが非常に高価だった時代には,個々の企業が高性能コンピュータをそれぞれ所有することは難しかった。そこで高性能コンピュータを所有する企業が,そのCPUタイムを他のユーザーに「切り売り」することがよく行われていた。ユー