ロッキー・エリクソン15年ぶりの新作『トゥルー・ラヴ・キャスト・アウト・オール・イーヴィル』は、サイケデリック・ロックの創始者と謳われた13th フロア・エレヴェイターズ時代を含め、40年を超える彼のキャリア史上、最高傑作と言える充実ぶりだ。エレヴェイターズの解散後、医療刑務所暮らしを経て70年代の半ばからソロ活動を続けながらも、ドラッグ濫用とショック療法による精神の問題を抱え、まともに作品を作ることができなかった天才は、ついにその才能を作品として形にすることに成功した。演奏は2008年以来、ロッキーと共演してきた同郷(テキサス州オースティン)の人気インディ・ロック・バンド、オッカーヴィル・リヴァー。轟音ギターが唸るサイケデリック・ロックから祈りにも似たゴスペルまで多彩なアレンジとともに、彼方と此方の境界線を怪しい足取りで歩きながら美しいメロディを紡いできた音楽家の才能を浮かび上がらせたサ