大型連休の書き入れ時を迎えた熊本県阿蘇地域で、飲食店や宿泊施設の人手不足が深刻化している。熊本地震の影響で東海大農学部(同県南阿蘇村)の学生約800人が熊本市に移り、学生の労働力を失ったためだ。被災した道路が一部復旧し「観光復興」が被災地の合言葉となる中、営業時間の短縮や従業員に残業をしてもらうなどぎりぎりのやりくりを迫られている。 ⇒熊本城石垣から400年前の人物画 地震による崩落で発見 29日昼、阿蘇五岳が一望できる南阿蘇村の飲食店「ちきゅうや」は観光客で埋まった。地震前は2人いた学生アルバイトの代わりが見つからず、店主の西田芳成さん(64)夫妻は、知人に手伝いを頼み連休をしのぐ。谷間の平日も来客は見込まれるが、休むことにした。「人手が足りず体力がもたない」からだ。 ある旅館は連休中は予約でほぼ満室。学生バイトの穴をパートで埋めたいが、おかみは「村外避難した人も多く集まらない」と嘆