2013年2月23日土曜日 【書評】鈴木健 著『なめらかな社会とその敵』(勁草書房) Posted on 0:08 by kazeto 本書は革命的な何かを為そうとしているのではない。 革命に死をもたらすという意味において、革命を、真に新しい意味での革命を起こそうとしているからである。 -鈴木健 『なめらかな社会とその敵』は、ひときわ異端の書だ。この本は「まだ見ぬ未来」へ向けて書かれている。 「国家」「社会」「個人」。歴史によって自明化した社会システムはまるで自然法則のように機能する。しかし、社会システムは誰かが発明したものであり、本質的に常に暫定のシステムである。新しい社会システムを実装することによって、私たちの想像力と文明を再設計しよう。それが本書のメッセージである。 「これまでの社会が依存してきたコアシステムと呼ぶべき社会制度そのものを、情報技術を用いて完全に置き換えてしまう