先日、劇場公開ぶりにテレビで公開された「かぐや姫の物語」を中盤から見はじめて、終盤に向かうにつれて悲しくてたまらない気持ちになった。 劇場では2回見て、それからしばらく時間が経っていたわけなのだけど、以前とはまったく違う気持ちで見ている自分がそこにはいて、それがなんなのか観ていく中で考えていた。 かぐや姫の気持ちに共感しているとか、感情移入しているとも少し違う。それなのにどうしてこんなに悲しくなるのか不思議な気持ちだった。 かぐや姫は求められた。多くの人に求められた。 姫の幸せを心から願った翁は、猪突猛進な様子で都に移り住み、華やかな暮らしと、それに見合った行儀作法を姫に身につけさせ、年頃になる頃には、やんごとなき見合い相手を募っては此処ぞとばかりに張り切っていた。 育ての親も生みの親も、子供の幸せを願う気持ちに嘘はない。 まっすぐな翁の願いはそれはもう、姫一人では受け止めきれないほどに膨