日本国内で「グローバル化」という言葉が使われ始めたのは、1890年代のことだという。100年以上も前から叫ばれているにも関わらず、遅々として企業のグローバル化が進んでいない、むしろ多くの企業が足踏みをしている理由は何か?私が常々疑問に思ってきたことに答えてくれそうな気がして、この本を手に取った。 本書は、日本企業の歴史的変遷、産業構造の特徴、その中で培われてきた日本企業の国際競争力の栄枯盛衰、そして日本人の思考特性について、IMD学長のドミニク・テュルパン氏と、IMD日本支社長の高津尚志氏が語ったものだ。海外から客観的に見た今の日本の在り様を語る中で、足踏みする原因やその本質を考察するだけでなく、多くの日本企業や日本人がグローバル化に向けて前に踏み出していくためにどうすべきかを示している。 私自身、これまで国内と海外でグローバル化を推進する組織の支援に携わってきたが、共感することが多く盛り