各国の中央銀行が買い支えている株式市場より、原油相場のほうが実体経済の直近の状況をより正確に反映している可能性がある。写真は2010年4月、カリフォルニア州フェローズで撮影(2020年 ロイター/Lucy Nicholson) [東京 21日 ロイター] - マイナスに転落するという異例の事態に陥った原油相場は、世界の金融・資本市場を大きく揺さぶった。大恐慌以来の景気後退と国際通貨基金(IMF)が警鐘を鳴らしても、ジャンク債まで買い入れる米連邦準備理事会(FRB)が防波堤になるとみていたマーケットの「安心感」にひびが入った。原油市場は株式市場に代わって実体経済を映し出す「ミラー」となり、乱反射した光が、ジャンク債市場や途上国経済のリスクを浮き彫りにする展開がやってきそうだ。