昔、「ソフトウエアなんかにカネを払えるか」と幹部社員が言い放った大手家電メーカーがあった。当時、駆け出しのIT記者だった私は腰を抜かしそうになった。その記憶は今でも鮮明に残っている。さすがに今は、そのメーカーも含めどんな企業でも、経営者や幹部は口をそろえて「ソフトウエアは重要」と言う。まあDX(デジタルトランスフォーメーション)を叫んでいるのだから、当たり前と言えば当たり前である。 ただなぁ、何だろ、この違和感は……。以前からそんなふうにもやもやしていたのだが、最近すっきりと整理できたので、今回の「極言暴論」で書くことにする。何の話かと言うと、ソフトウエアの重要性を自分は理解していると思っている人ですら、本当はその重要性の本質に気付いていない場合が多いということだ。実はソフトウエア技術者でも、ソフトウエアの重要性について勘違いしている人が随分いる。 その勘違いとは、依然として「ものづくり」