「ウミを出し切る」と日本相撲協会の放駒理事長が言い切った八百長問題。だが弁護士ら外部識者を集めた特別調査委員会によっても新事実はなかなか見えず、真相解明は遠い印象だ。「徹底調査」をいうのなら、ほかの手段も考えた方がよくないか。 「相撲協会は『偽計業務妨害』容疑で警視庁に告訴し、捜査に委ねた方がいい」。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう提案する。 八百長問題は力士らの野球賭博事件を警視庁が捜査する中で発覚した。しかし「合法的な賭け事」の対象ではない相撲は、八百長を取り締まる法律がない。警視庁が立件できないのはこのためだ。 だが「八百長という不正行為で相撲協会の業務が妨害された」ととらえれば、被害を受けた協会から警察に捜査を求めることができる――これが若狭氏の指摘だ。 調査委から携帯電話の提出を求められた力士らには「妻が踏んで壊れた」「機種変更した」と釈明したり、「ないと不便だ