高校生の頃、12月31日。夕方になると自分の部屋にこもって、「今年も終わるんだなあ」なんてことを考えながら、無理やりに自分を感傷的な気分に追い込もうとした。それが僕の年越しのあり方で、かなりの間その儀式は続いていたのだけれど、ここ数年の年末に書いている一年のまとめ記事を読むと、毎年のように「振り返りができていない」みたいなことを言っていて、多分以前のように年の暮れを迎えることができなくなってきている。 それは僕がひとりで自分の部屋に居ることが許されなくなったということで、結婚しただの子供ができただの、大変わかりやすい理由がいくつかあるのだけれど、その内容はともかく「僕がゆっくりと年末を迎えることができなくなった」と感じている事実は変わらず、僕はその事実をもって、自分がいい加減引き返せない大人になっていることを知るのだった。 僕は大人になったし、親になった。そういう年だった。 仕事が忙しかっ