アメリカ西海岸、オレゴン州ポートランドに「ぜひ、行くべきです」と薦めてくれたのは、ジャーナリストの高橋ユリカさん(2014年8月没・58歳)でした。(「人間中心の暮し願ったジャーナリストの死」「太陽のまちから」2014年9月2日) 下北沢の再開発で地下化される小田急線の線路跡地を活用しようと、活発に取材や市民活動をしていた彼女は、ポートランドに出かけてきて熱病にかられたように私にスライドショーを見せながら、「見てきて下さい」と強く促しました。彼女だけでなく、都市デザインやまちづくりを担う専門家の人たちからも「ポートランド」の事例は多く語られていました。こうした声に押されるようにして、世田谷区と姉妹都市提携をしているカナダのウィニペク市を訪問する帰路、立ち寄ることになったのです。訪問日程は3泊4日と限られていましたが、アメリカ国籍を得てポートランドで暮らす黒崎美生さんの精力的な案内によって、