組織変革を行う際に経営者に筆者がよくする質問があります。それが「性善説でやるか、性悪説でやるか」という問いです。ゴールに辿り着くだけなら、組織デザインにはそれを実現する多様な方法論が存在します。しかし組織にとって、ゴールに到達する「過程」自体が重要な意味を持ちます。 ゆえにその過程のデザインをするために、確認作業としてその問いを行うことを大切としているのです。今回は組織の辿る過程として重要な、「性善説」と「性悪説」の組織デザイン方法論を解説していきます。 目次 (1).性善説も性悪説も、人の可能性を信じることから始まる (2).性悪説は、安全工学をヒントに人的エラーを削減する (3).事故モデル分析し、事故が起きない構造をつくる (4).性善説は、コトのボトルネックを発見し解決する (5).エリヤフ・ゴールドラットの制約理論とは (6).性悪説/性善説のメリット・デメリット(1).性善説も