「車載用モーターで必ず世界一になる。断トツのシェアをとる」。3月9日、日本電産の永守重信社長はアナリスト向け経営説明会で、車載用モーターの「覇者」となることを高らかに宣言した。 ハードディスク駆動装置(HDD)用モーターでは世界シェア75%と圧倒的な強みを持つが、ここへきて車載用事業を急ピッチで強化している。 ポーランド工場の増強を終えたほか、2011年稼働を見込み、中国・大連市に新工場と開発拠点を建設。車載用モーターの年間生産能力を現状比約5倍の3000万台に拡大する計画だ。 一方、昨年11月には滋賀県に車載用の技術開発センターを開設。将来的に中核事業へと育成する方針で、売上高も09年度推計500億円から12年度に3500億円と一気に引き上げる算段である。 現在、車載用の世界市場は年間2兆円規模とみられ、日本電産のシェアは5%にも満たない。国内勢ではアスモやミツバなど自動車メーカ