(前編はこちら) 一時は確実視されていた新幹線のインドネシア導入計画。閣僚に中央大学卒業生のラフマット・ゴーベル氏が入ったことで、この事業は進展するかと思われた。だが、そのゴーベル氏は地方首長との会談を取りまとめた直後、内閣改造の網をかぶり辞任してしまう。日本側は大きなパイプを失った。そこに何があったのだろうか? ◆中国の一手 中国側の本格的な動きは、今年3月から始まった。 ジョコ・ウィドド大統領の中国訪問は、日本訪問スケジュールに続いて行われたものだ。そこで、習近平国家主席と高速鉄道建設に関する覚書を交わしたのだ。もっともこれをもって、中国側の受注が決定したわけではない。1月にインドネシア政府が発表した計画凍結は、この時点で正式に覆ってはいなかった。 それにアドバンテージの点で言えば、なおも日本側に傾いていた。日系財界は中国側のそれよりも、インドネシアとのパイプが強固である。ゴーベル氏や