子供が生まれてから二ヶ月になるかならないかの頃に、ようやく家族3人で暮らせるようになった。 出産から床上げを経て、ようやく東京へ帰る目処が立ち、僕らは京都で再開することになった。 福岡から新幹線で来る妻子と義母と京都駅で再開すると、2ヶ月前に見た時は痩せていた子供は丸々と肥え、育っていた。 子供を取り囲んだ家族は皆、笑顔が絶えず、状況をよくわかっていない子供にお構いなく、 抱いたりあやしたりして、互いの家族が集まった会食の場は大きな喜びに包まれた。 子供が生まれてから二ヶ月になった頃に、88歳の祖父が亡くなった。 夜、知らせを受けて、次の日の朝に飛行機で香川県に向かった。 6年前に祖母を見送った際に使った葬儀場に着くと、一ヶ月前に会った時には生きていた祖父が息もせず、穏やかな表情で横たわっていた。 祖父を囲んだ親族は皆、泣くでもなく何かを言うわけでもなく、心のなかに開いた空洞をお互い確認す