2018年10月上旬。世界中を飛び回るヴァージル・アブローが時間を取ってくれると聞き、急遽パリへと飛んだ。インタビュアーは普段から親交のある編集者、野村訓市。セーヌ川近くのルイ・ヴィトン本社内にあるスタジオにて。 ディスコの聖地パラダイスガラージで使われていたヴィンテージのロータリーミキサーから、イギリス製やフランス製のハンドメイドのものまで、DJ用の機材に溢れた部屋、この場所こそがルイ・ヴィトン メンズ アーティスティック・ディレクターに就任し、今年の夏にファーストコレクションを発表すると世界をあっと言わせたヴァージル・アブローのスタジオだ。ジャンルレスな活動を同時多発的に発信しあらゆるカルチャーに影響を与える時代の寵児となった彼の、新たな基地。 「Apple Musicの自分の番組もここでやってるんだ。ミックスも録れるし、なんでもかけられる。移ってきてまず手をつけたのがスタジオだけど、