文化の土壌を耕す「畑」に沖縄本島から南西約300kmの宮古島は、島外から訪れる人間にとって「南の島」のイメージそのものだろう。国の天然記念物に指定されている日本最大級のサンゴ礁群「八重干瀬(やびじ)」をはじめ、国内指折りの美しさの青い海。白い砂浜もある海岸線は変化に富み、亜熱帯に属する気候は年間を通じて温暖で花が絶えない。豊かな自然や景観を求めて訪れる観光客は年々増え、2018年度には島の人口(約5万5千人)をはるかに上回る年間100万人を突破した。 その宮古島に2022年5月、現代アートギャラリー「PALI GALLERY」が誕生した。宮古島にゆかりがある写真家の石川直樹と同島出身のアーティストの新城大地郎が開設の中心となり、共同でディレクションを行っている。作家として一線で活動している2人に、この地にギャラリーを作った思いを聞きに行った。 宮古空港から車で十数分の繁華街・平良(ひらら)