鈴木理策(1963−)は、1980年代半ばより写真を媒体に創作活動をはじめました。1990年に初個展を開催、1998年には故郷の熊野をテーマに初の写真集『KUMANO』を上梓し、翌年出版した『PILES OF TIME』(共に光琳社出版)とともに、シークエンスの手法を用いたナラティブな構成が新しい写真表現と評価され、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞します。その後も、写真というメディアの特性を深く掘り下げ、日本各地に残る古代信仰の場や、南仏サント・ヴィクトワール山、桜、雪、セザンヌのアトリエといった多様な対象にそれぞれ異なるアプローチで取組み、新たな作品を発表し続けています。 本展では、鈴木の新作及び未発表作を中心に、写真作品約100点と映像作品3点を展示、8×10インチフィルムを使用する大型カメラで撮影された精緻な写真群が、純粋に「見る」ことへと鑑賞者を誘います。タイトルの「意識