専門書を扱う古本屋やレトロな喫茶店、大学に定食屋。神保町という町には、パリのカルチェ・ラタンのような雰囲気が漂っています。 表通りはクルマの行き交う大通りですが、ひとつ角を曲がれば、ほの暗く細い裏路地があるというところも似ているのかもしれません。その裏路地を入ったところで、温かい灯りを灯しているのが「ビストロアリゴ」。もともとは氷屋だったという、年季が入って灰色に煤けた建物です。 引き戸を開けると、すぐ目の前に厨房が見えます。ジュッとフライパンで肉をソテーする音、白熱灯にきらめくワイングラス、鍋から上がる白い湯気。モノクロの世界から、明るく活気があふれる風景が広がっていく。カウンターと厨房は対面式になっており、手際のよい調理を眺めるのもここでの楽しみ。 出されるのはフランスの田舎料理。しっかりとした味付けにガツンとくる量の多さ。赤も白もグラスで500円~のフランスワインはがぶ飲みできる気軽