高校生や大学生投手に関する記事を読んでいて、ふと疑問に思うフレーズがある。 それは「完成度」という言葉だ。 かくいう筆者もかつてはその言葉を使用してきた人間なのだが、あの男のメジャー挑戦で、高校生や大学生の時点で「完成度」は語るべきではないという確信に至った。 あの男とはもちろん、エンゼルスへの入団が決まった大谷翔平である。 メジャーで二刀流が継続できるかどうかも注目されるが、今回は彼のピッチングについての考察である。 大谷の持ち球と言えば、最速165kmのストレートと鋭く変化するスライダー、落差のあるフォーク、時折挟むカーブだ。ストレートについてはわざわざ語ることもないが、スライダーの変化、フォークの落差も彼のピッチングを支えるツールだ。常時160kmを超えるストレートとのコンビネーションで鋭い変化球が来ては打者はひとたまりもない。 高校時代、大谷は意識的にスライダーを投げなかった。 実
![山本昌「中高生にスライダーは危険」大谷・マエケンは投げなかった。(氏原英明)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7144f4491c52bbc289d72f1795aa29fbc2ff3bcf/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2F2%2F-%2Fimg_42e220b38aaebd9864a7c72f6c2766e986675.jpg)