いくつもの疑問が解明されないまま、小学校の設置認可を求めた申請が取り下げられた。「なにも疑惑はない」。学校法人「森友学園」の理事長は10日の記者会見で言い、問題を報じてきたメディアへ批判の矛先を向けた。突然の撤退表明に対し、「これで幕引きにしてはならない」という声が広がった。 「苦渋の決断であります。涙が出るような気持ちであります。もう少し温かい目で見て頂きたかった」 小学校の設置認可申請を取り下げた後の10日夕、記者会見に臨んだ学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池(かごいけ)泰典理事長は、約1時間半にわたり、マイクを通じて声を張り上げた。 会見場は学園が運営する幼稚園(同市)の多目的室。籠池氏は150人ほどの報道関係者を前に、やや充血したように見える目を向けながら、国有地の取得や建築事業費にからむ数々の疑惑を改めて否定した。 籠池氏は小学校建設をめぐる問題について「(校舎の)建物もでき、