芸能人やアスリートの会見と違い、組織のトップやリーダーにとって、会見の失敗は、自身だけでなく所属する組織の評判やブランドを損ねかねない。それぐらい、学長と日本レスリング協会副会長という立場にあればわかっているはずだろうが、会見そのものがパワハラに見えただけでなく、聞いているうちに、「学長によるパワハラもあるのでは?」という疑念が振り払えなくなった。 ではなぜ、学長の会見はそんな風に見えたのだろうか。その理由は、発言内容だけではない。学長が「自分がどう見えるのか」、「発言がどう受け取られるのか」に注意を向けていなかったからだと思う。 経歴を見れば、それも当然のことかもしれない。学長としての長いキャリア、政治家としての経験、日本レスリング協会副会長という立場から、誰もが自分の話を聞き、忖度されるという環境があったのだろう。でも会見は、組織内での発言や講演とは性質が違う。学長はそこに気がつかず、
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