「本がある」交流広場、まちじゅう図書館 NPO法人オブセリズム:花井裕一郎(はない ゆういちろう) まちじゅう図書館の誕生 創業231年を迎える味噌醸造の老舗「穀平味噌醸造場」。暖簾をくぐると味噌桶や商品が並ぶ店内の奥に100冊の本が並ぶ。 味噌に関する本はもちろん、店主の興味のある宇宙に関する本や小布施町に関する本、晩年小布施に逗留していた葛飾北斎の本、中には貴重な本も並んでいる。 2012年に小布施町で始まった「まちじゅう図書館」の一館である。ご近所の方々はもちろん、小布施町の来訪者も多く来店するこの店に味噌を買い求める人だけではなく、「本棚みせてください」と声を掛けて入店してくる人が増えている。 「まちじゅう図書館」とは、小布施町立図書館まちとしょテラソが開館する際に考えられた、本を通じた交流の場づくりである。1000㎡ほどの小さな図書館では、すぐに本棚はいっぱいになると考えた設計