図書館とブックオフはどう違うのか? 前回、ぼくたちは本をめぐる風景の中に突如として入りこんできた、「ブックオフ」という奇妙な書店について、それを「図書館」としてとらえ直すことができるのではないかと考えてみた。今回からは実際にいろいろな角度からブックオフについて考えてみよう。 さっそくぼくたちが考えなくてはならないのは、図書館とブックオフのちがいについてである。ぼくは先に、ブックオフは図書館に似ている、と述べたけれど、普通にかんがえるならばそれらは本質的にまったくちがうものだ。でもむしろそれらが似ているという認識に立ちながらその差を見てみれば、ブックオフ的空間の特徴がよりきわだってみえてくるかもしれない。 結論を急いで述べてしまうなら、その違いは本の選定基準にあらわれる。どういうことか。図書館とは図書館法に基づいて地方自治体が作り出す「公共」施設だ。そしてその「公共」という言葉が意識されるあ