1999年の中国の輸出額は3年前から5兆円増え21兆円に急伸した。この年、日本は4兆8754億円もの中国製品を輸入。中国は初めて欧州連合(EU)を抜き、米国に次ぐ対日輸出国に躍り出た。気が付けば、中国は「世界の工場」になっていたのだ。米国に情報技術(IT)で先行を許したうえ、製造業の優位性まで中国に奪われてしまうのか。日本の21世紀は、中国との付き合い方にかかっている。 (谷口 徹也、田原 真司、山崎 良兵) 日常生活で目にするモノを少し注意深く観察すると、至る所に中国製品が溢れていることに気付く。 優秀な人材を短期間に集められる まず、家の中を眺めてほしい。 どんな家庭の居間にも必ずあるテレビ。1999年の世界のテレビ市場は1億1787万台だったが、実はその約4割が中国で生産されている。大手では松下電器産業、東芝、三洋電機、三菱電機の4社がテレビの主要生産拠点を既に日本から中国に移した。