MJが死んだときはびっくりした。そういうものだ。 まああれだけのことをやって、50歳まで生きられたこと自体、奇跡のようなものだったのだろうか。彼の姿を見るたびに感じるある種のタブー感というか、アンチエイジングという言葉では片づかない居心地の悪さがつねにつきまとっていた。「少年でありたい」という前のめりなスタイルも、なんだか神に対するどでかい挑戦という感じにさえ見えた。 もはや同じ人類とは思えず、霊長類ヒト科というよりも霊長類マイケル科という新しい生物のようにさえ思えたのだけれど、彼にまつわる悲劇のストーリー自体は、それほど珍しくないように思えた。じつに黒人エンターテイナーらしい物語だったなあと。 黒人がアメリカでスターになるには、言うまでもなくハードな道を進まざるを得なくなる。多くのエンターテイナーが波乱万丈すぎる人生をすごしてきた。それこそちょっと前まではあからさまな人種差別の問題がから
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