ブックマーク / www.aozora.gr.jp (2)

  • 太宰治 或る忠告

    「その作家の日常の生活が、そのまま作品にもあらわれて居ります。ごまかそうたって、それは出来ません。生活以上の作品は書けません。ふやけた生活をしていて、いい作品を書こうたって、それは無理です。 どうやら『文人』の仲間入り出来るようになったのが、そんなに嬉しいのかね。宗匠頭巾をかぶって、『どうも此頃の青年はテニヲハの使用が滅茶で恐れ入りやす。』などは、げろが出そうだ。どうやら『先生』と言われるようになったのが、そんなに嬉しいのかね。八卦見(はっけみ)だって、先生と言われています。どうやら、世の中から名士の扱いを受けて、映画の試写やら相撲の招待をもらうのが、そんなに嬉しいのかね。此頃すこしはお金がはいるようになったそうだが、それが、そんなに嬉しいのかね。小説を書かなくたって名士の扱いを受ける道があったでしょう。殊にお金は、他にもうける手段は、いくらでもあったでしょうに。 立身出世かね。小説を書き

    hisakazuh
    hisakazuh 2010/04/25
    青空文庫の『或る忠告』(太宰治)のような短い文章は、ニンテンドーDSi LLで読むと、読みにくいが価値がある。最後の一文が画面を開いた瞬間に目に入らないからだ。PCで読むと「何これ」と思える文章なので、読まない
  • 太宰治 「晩年」に就いて

    「晩年」は、私の最初の小説集なのです。もう、これが、私の唯一の遺著になるだろうと思いましたから、題も、「晩年」として置いたのです。 読んで面白い小説も、二、三ありますから、おひまの折に読んでみて下さい。 私の小説を、読んだところで、あなたの生活が、ちっとも楽になりません。ちっとも偉くなりません。なんにもなりません。だから、私は、あまり、おすすめできません。 「思い出」など、読んで面白いのではないでしょうか。きっと、あなたは、大笑いしますよ。それでいいのです。「ロマネスク」なども、滑稽な出鱈目(でたらめ)に満ち満ちていますが、これは、すこし、すさんでいますから、あまり、おすすめできません。 こんど、ひとつ、ただ、わけもなく面白い長篇小説を書いてあげましょうね。いまの小説、みな、面白くないでしょう? やさしくて、かなしくて、おかしくて、気高くて、他に何が要るのでしょう。 あのね、読んで面白くな

    hisakazuh
    hisakazuh 2010/01/04
    米光さんが太宰治読んでいる。うれしい。RT @yonemitsu: 太宰治の「「晩年」に就いて」って文章が、また、これ、なんというか、すげぇ、声出して笑うし、背筋伸びるし、ちょっと怖いし。
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