Homeへ 紙芝居―街頭のメディア プロローグ 新語ジャパニメーションとの出会い 私は一九九六年から二年間、アメリカに滞在した。最初の頃はアメリカ三大ネットワークのテレビやCNNのニュースには、ダウとともに日経の平均株価が毎日放送されていたが、一年間もたった頃にはそれらのメディアは、日本の株式市場に目をくれなくなった。そうして、出てくる日本のニュースといえば、銀行、メーカーなど日本の代表的企業経営危機やGNPの低落といった悪いニュースのみである。それに追い打ちをかけるように、アジアの経済危機に関するニュースの洪水。一方、アメリカの株価やGNPは上昇を続けていた。そうしたニュースに接して暗くなる私を慰めてくれるのは、日本のアニメーションの健闘であった。アメリカケーブルのマンガ専門チャンネルにも、ゲームセンターにも日本製が割拠していた。デンタルビデオ店にも、そして古本屋にもかなり大きなスペース