ひと通り読んだので感想書いていきます。 (以下あいうえお順) ◆ イノサン/坂本眞一 フランスの死刑執行人を、200年以上にわたって輩出してきた家系サンソン家。その4代目シャルル・アンリ・サンソンを主人公に描かれる。 まあよくぞこんなテーマで描こうと思ったなと。処刑が娯楽だった時代のそれだから。写実的な絵柄も相まって、エログロの極北と言えるような仕上がりになっている。 と同時に、独特の恍惚感がある漫画でもある。読み手がというより、登場人物、あるいは作者もそういう状態で描いていそうというか。 演出がぶっとんでるからかもしれない。見開きで自らの無垢さを強調する主人公や、処刑中に突然バイオリンを奏でる回想が始まるなど、普通の感覚じゃ到達しない表現で物語られる。 考えてみれば前作『孤高の人』にもそういうところはあったような気がする。いまいち思い出せないので言及やめるけど。画力はその時点で抜群だった