今週は読書週間だそうである。新聞の社説が「みなさん本を読みましょう」と激励しているけれど、朝礼の校長先生の訓話と一般で、こういうことを言われるようになるということはもう「本もおしまい」ということである。 最近の若い人たちは本を読まない。もちろんミステリーとかタレント本とかファッション誌とかガイドブックとかファミコン攻略本とかは読むのだろうが、「古典」とか「外国文学」とかになると全然読まない。もう、みごとなくらい、まったく、感動的なまでに、読まない。 先日、東京大学の先生とその話をする機会があった。その先生の授業で、「これまで読んだことのあるフランス文学作品の書名を書け」というアンケートをしたら、中にひとこと「カフカ」と書いた学生がいたそうである。 すると横にいた某私立大学の同じフランス文学の先生が「ははは、冗談じゃない。そんな程度で嘆かれては、こちらの立つ瀬がありません」と応じた。その先生