西暦紀元568年にパンノニア(現在のハンガリー西部)からイタリアに侵入し、その後200年以上にわたってイタリアの大部分を支配した蛮族(ランゴバルド人)の社会組織と移動を解明する手掛かりが古ゲノムDNAの解析によって得られた。この研究知見に関する論文が、今週掲載される。 3~10世紀の西ヨーロッパは社会文化的にも経済的にも変革期にあり、西ローマ帝国が崩壊し、ヨーロッパ全土で蛮族集団の移動があった。しかし、こうした蛮族社会の唯一の直接証拠は考古学的遺跡で発見されたものであり、この証拠を使って蛮族集団の正体と社会構造、移動パターンに関する推論が展開されてきた。6~7世紀のパンノニアとイタリアの考古学的墓地遺跡からは、ランゴバルド人の移動に関する史料と矛盾しないパターンが示唆されているが、ランゴバルド人の社会と移動については不明な点がかなり多い。 今回、Johannes Krause、Krishn