東京電力福島第1原発事故で避難生活を強いられている福島県東部の住民に、集団移住を呼び掛けている人がいる。かつて同県相馬市、南相馬市、浪江町、双葉町などを領地とした旧相馬中村藩主の子孫で、第34代当主の相馬行胤さん(38)。3月末に家族5人で移住した広島県神石高原町で、「ふるさとに戻れない人、仕事に就けない人と一緒に、文化や郷土愛を継承していきたい」と、新天地でのコミュニティー再生への思いを語った。 北海道大樹町に住んでいた相馬さんは震災前、先祖ゆかりの相馬市でシイタケ栽培会社を営んだり、伝統行事「相馬野馬追」で総大将を務めたりと、福島の振興に貢献してきた。震災後も頻繁に福島入りし、被災者支援を続けるうちに、「生活の場を追われた皆さんと、新しい土地で仕事をしたいと思うようになった」と話す。 移住を呼び掛けているのは、自宅が居住制限区域に指定されている人々。既に個人的なつながりで20〜30