遺体の検視をする医師らが所属する「日本法医病理学会」は、新型コロナウイルスの検視スタッフや遺族への感染を防ぐため、感染が疑われる遺体のPCR検査を求めている。同学会が実施した調査によると、大学の法医学教室などが保健所に依頼した遺体のPCR検査23件のうち半数の12件が断られていた。学会は「コロナ感染症の正しい死亡率を把握するためにも検査拡充が必要」と訴えている。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】 学会によると、遺体の死因を究明する法医学教室や監察医などは、生前に発熱があった場合など、新型コロナウイルスが疑われる場合に、保健所などにPCR検査を依頼している。学会が4月中旬に実施した調査に回答した26機関は、1月~4月中旬に23件を依頼し、うち11件は検査が実施されたが、12件は保健所などから検査を断られた。