3月某日 菜の花忌 どこに行っても、一番良く耳にする名前ではあるけれど、一番実態が掴めない「伝説」である弘法大師空海への興味にかられて、司馬遼太郎の「空海の風景」を読み始める。そういえば、東大阪市にある司馬遼太郎記念館にはいつか行こう行こうと思いつつ足を運んでいない。HPを見ると、記念館は菜の花の盛りだという。菜の花を愛した司馬遼太郎の命日2月12日を「菜の花忌」という。菜の花が咲いているうちに、おそらく日本で一番、歴史上の人物達の姿を借りて、これから生きていこうとする人間達に力を与えた巨人・司馬遼太郎の足跡を辿ろうと、ある土曜日、仕事を終えて近鉄電車に乗り、八戸ノ里駅へ。 八戸ノ里駅から記念館までは菜の花の道が続いている。自宅に併設して作られた記念館へ行くすがら、司馬遼太郎が執筆していた書斎を庭から見ることができる。 菜の花の咲いている時に来て良かった。薔薇や桜のような華やかさはないけれ