彷徨う日々posted with amazlet on 07.11.03スティーヴ・エリクソン Steve Erickson 越川芳明 筑摩書房 (1997/04) 売り上げランキング: 195242 Amazon.co.jp で詳細を見る スティーヴ・エリクソンの幻視力に魅せられて、もう何冊も彼の作品を読んでいるが、まさか処女作から彼が同じテーマ、同じ手法で物語を綴っているとは思わなかった――エリクソンの作品には、どれも複雑に線が入り組んだ対位法のような構造あり、そしてそこで描かれるのは「充実した生を不可能とされた何らかの欠陥/欠損を持つ男」と「超自然的な能力を持つ、美しい女」との強烈な愛である。既にそのようなスタイルは1985年の『彷徨う日々』で完成されており、その後『黒い時計の旅』においてより洗練された形でまとめられ、『Xのアーチ』ではもはや捉えることのできない結晶となっているように