著者は産経新聞のソウル駐在記者として40年以上、韓国を見てきたベテランだ。彼の目から見ると、慰安婦問題が「壮大な虚構」であることは自明で、朝日新聞の市川速水記者も彼との対談で同意している。問題はこんなバカバカしい嘘が、なぜいつまでもくり返されるのかだ。 日本人にとって韓国はどうでもいい中進国の一つだが、韓国での日本のプレゼンスは非常に大きい。人々は日本の文化が好きなのだが、公式には「反日」が国是になっている。それは単純なナショナリズムではなく、中国を中心とする「華夷秩序」の中では朝鮮が格上で日本は「夷狄」だったのに、近代に逆転されたというコンプレックスだ。 日本人より優秀な韓国人が敗れたのは、「日帝36年」が原因だということになっている。日韓併合も「抗日戦争」に敗れて日本に侵略されたことになっているので、著者が「朝鮮人の志願兵に感謝する」と書くと怒り、朝鮮人特攻隊員の慰霊碑は撤去される。独