人間にとって動物とは何者なのか。なぜ私たちは意図的に動物を殺すのか。それを問うことは、人類の来し方を振り返り、肉食への態度を語るのに等しい。ホモ・サピエンスの誕生以来二〇万年続いた「狩猟」。一万年前からの「家畜」。そして二〇世紀後半の「畜産革命」によって、まさしく「いのち」が産業化され、生権力の対象となった。大阪・釜ヶ崎という極限状況で人間の生と死を洞察してきた著者が、動物たちの生と死に真っすぐに向き合い、人間と動物との共闘の道をしめす書き下ろし評論。 震災と動物たち(1) 前篇(「家族ペット」の時代 「生体商品」としてのペット 動物虐待―暴力の連鎖 屠畜と肉食の歴史 畜産革命―工業畜産と動物工場 ほか) 間奏 後篇(反「国家・資本・家族」の動物 動物と人間の共闘 動物の精神分析 日本現代文学と猫 戦争と動物たち ほか) 「野生生物の天国」チェルノブイリ
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