ゾンビ化する温暖化を疑う人々。その科学的、経済学的なおかしさ 温暖化懐疑論および対策不要論に改めて反論する1 明日香壽川 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授 気候危機が叫ばれる一方で、日本ではいまだに、まるでゾンビのように温暖化懐疑論や対策不要論が様々なメディアを通して流されている。 まず温暖化懐疑論には以下の三つがある。 ①温暖化していない ②二酸化炭素(CO₂)は温暖化とは関係ない ③温暖化して何が悪い 一方、温暖化対策不要論は、今起きている温暖化が人為起源であることは認めるものの、主に以下のような理由で、温暖化対策の必要性はないと主張する。 ①不確実性が高い ②温暖化のリスクは大きくない ③温暖化対策には大きな費用がかかる SNSを含むメディアで活発に発言している温暖化懐疑論者としては、長く反原発運動に関わっている広瀬隆氏がいる。また、ダイレクト出版の『「地球温暖化の