■たとえば。僕が激しくイライラしてしまうのは、“ここ数年、「映画」というものが気になっているんだ。「映画って何なんだろう」みたいな事を考えたりしているわけ”なんていう発言を読んだときで、しかもそのあとに“映画が分かってないと、アニメも分からないと思ったからなんだよ”なんて話が続くと、お前は映画もアニメも、わかんなくていいよ! そんなことわかんなくったって、人生にはなにも困らないんだし! とか思う。 ■たぶん僕が何にいらだっているのかといえば、「映画」と「アニメ」を別のモノに区分けしようとする思考(あるいは嗜好)そのものであって、あるいは「映画が偉くてアニメは下だ」とか、「いやいやアニメの方が上だ」というような、未熟で頭の悪い議論が巻き起こってしまうこと、それ自体が頭にくる。映画は、わかったりわからなかったりするモノではなくて、ただ僕たちの目の前そこにある、芸術ジャンルのひとつでしかない。