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2024年1月12日のブックマーク (3件)

  • 清少納言と藤原定子『はなとゆめ』冲方丁

    『はなとゆめ』の時代背景と物語 清少納言が仕えた中宮定子は、関白・藤原道隆の娘。当時の帝、一条帝の寵愛を一心に受け一族の繁栄を支えている才色兼備なお方。 清少納言は定子に仕えることで才能を開花させ、きらびやかな宮中でみずからの「華」を咲かせていきます。 この物語での定子さまは、才色兼備なだけではなく、相手の才能を花開かせたり、場を斬新なアイデアでイベントを演出するプロデューサーとしての才能もお持ちの方でした。 そのため、彼女の周りは常に明るく華やいだ世界があったのです。 しかし、道隆の死後、あの有名な藤原道長が台頭。実権を握ろうとあの手この手で中宮定子さま一族を追い落としていきます。 ゴリ押しで自分の娘(藤原彰子)を宮中にあげちゃったり、陰険な方法で嫌がらせを仕掛けたり…。 そのあたりは、中宮彰子を主人公にした小説『日と月の后』にも詳しく書かれています。 清少納言は定子を守るため、様々な文

    清少納言と藤原定子『はなとゆめ』冲方丁
  • 清少納言のエモい言葉『超訳百人一首 うた恋い。3』 杉田 圭

    宮中での華やかで政治的駆け引きを含む応酬にもその才能を発揮。元ダンナは風流を介さない朴念仁だったらしいですが。 なかでも書家として名高い藤原行成も清少納言と交友関係があったとは知りませんでした。 行成との和歌の応酬の中に、孟嘗君の故事をさらっと混ぜて返すセンスはさすがだな。 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ 清少納言の仕えた中宮定子とその一族は、藤原道長との政権争いに敗れ、このあと衰退の一途をたどっていきます。 でも清少納言は、定子の華やかな時代だけを切り取り、枕草子に描いたのだそうです。 DVD付き特装版には絵巻物語「うき世の月」が収録。1巻に収録された道雅と当子内親王の悲恋物語です。通雅は定子の兄・伊周の息子なんですね。 いろんなところでつながっているなあ。買うならDVDつきがおすすめです。 うた恋い。シリーズ 『超訳百人一首 うた恋い。』…百人一首選者の

    清少納言のエモい言葉『超訳百人一首 うた恋い。3』 杉田 圭
  • エモくてあはれ『超訳百人一首 うた恋い。2』 杉田 圭

    小野小町、在原業平、文屋康秀の奇妙な三角関係 出自がしょぼいため、和歌で名をなそうとする康秀。 セレブの家系に生まれて出世するけれど愛に恵まれない業平。 自らの才能と美貌で宮中の花となった小町。 境遇が全く違う3人ですが、和歌を通じて友情関係を築いていきます。 小町と業平といえば美男美女の代名詞ですが、「うた恋い」では不思議とこのふたり、恋愛感情がありません。業平はふざけて小町に言い寄ってますが。 歌詠みとしての誇りをもち、それぞれの和歌を昇華させてゆく、すてきな関係です。康秀と業平の屈折した友情関係も面白い。 小野小町は伝説や謎が多すぎて、あまり生身の人間として感じられないのですが、この漫画の小町は、自分の夢のために愛しい人と別れ、栄華を極めたものの孤独を抱えている女性として描かれています。 物語の最後、業平、康秀と歌枕の旅にでるのですが、実際にこんな旅に出ていたのなら小町も救われただそ

    エモくてあはれ『超訳百人一首 うた恋い。2』 杉田 圭