特別公開企画 アフター・メタヒストリー ―ヘイドン・ホワイト教授のポストモダニズム講義― ヘイドン・ホワイト 「ポストモダニズムと歴史叙述」 English Page まず最初に、ポストモダニズムとは、一つの時代を画する自己意識、20世紀のモダニズムが生み出した確実性が失われた状況下で仕事や創造を行わなければならなかった多くの芸術家や知識人が共有してきた感覚を示す言葉である。 事実、ポストモダニズムは、啓蒙主義の時代以来「進歩」への西洋の信頼を支えてきた確実性、客観性、その土台、さらには真理そのものへの探究が崩壊した、その廃墟の上に生み出された。 それゆえ、ポストモダニズムという言葉は、際だって近代的なものとされているような確実な認識内容、またはユートピア的願望というより、むしろそれが、啓蒙主義の時代以降、哲学的、社会的に受け継がれてきたものを否定し、拒絶し、あるいは単に放棄してきたことに