1964年(昭和39年)は,東海道新幹線が開業,山陽本線が全線電化,東京オリンピックが開催された年であり,日本中が明るい話題に沸き立った.しかしその陰で,国鉄はこの年初めて単年度赤字に転じた.以来,国鉄運賃は上がり続け,ついには1987年(昭和62年),解体,民営化を迎えることになる.以下,表2にその軌跡を追ってみた. 貨幣価値を換算する資料として,消費者物価の推移を表2に併せて示す.1950年を1とした消費者物価は,米価ベースで5.65倍(生産者米価は1983年(昭和59年)の3111円/10kgをピークに減少している.),初乗運賃ベースで26倍.,航空運賃ベースで3.75倍,給与ベースでは60倍である. 1961年(昭和36年)6月 1957年(昭和32年)以来4年ぶりの運賃・料金改訂.旅客運賃の上げ幅は14.62%.この値上げは,この年から始まった国鉄近代化の第二期五カ年計画の財源を